宅建 権利関係・民法対策
“最近の権利関係の問題は難しくなってきています”
権利関係は、民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法の4つに分けられるのですが、この中でも特に「民法」が難しいです。
問題の割合は、民法が10問、借地借家法が2問、区分所有法と不動産登記法がそれぞれ1問ずつ出題されるので、権利関係の中でも民法は特に重要な科目です。
そのうえ民法は、借地借家法と区分所有法という特別法の一般法にもなっているので、民法の理解は不可欠です。
(特別法とは「一般法の例外規定をおいた特別の法律」という意味です。つまり一般法の理解なくして、特別法を理解することはままならないということ。)
そういうことですので、「テキスト選び」のところでも説明しましたが、民法だけは基本テキストと別に、専用の参考書をかならず準備して勉強してください。
そもそも民法がなぜ難しいのか、というと、「パンデクテン方式」というよくわからない法体系がうんちゃらかんちゃら、、、と、とにかく難しいんです!
でも、、、
民法さえ理解できる頭脳を手に入れたなら、借地借家とか区分所有は余裕です。
不動産登記法も宅建では簡単なところしか出ないはずなので、基本テキストでもまあ点数は取れると思います。
民法の攻略が宅建最大の壁!?
本当に、
“宅建の最大の難関は民法にある”
と言っても、全然言い過ぎではないくらいです。
宅建の主要2科目は、「権利関係」と「宅建業法」の2つですが、
メインの宅建業法の配点は20点、権利関係は14点です。
例年の宅建の合格ラインはおよそ35点以下ですから、この2つの科目の配点がどれだけ大きいかというのが理解できると思います。
で、比較的単純な対策(過去問とか)で点数を取りやすいのが「宅建業法」なんですけど、
権利関係の方、とくに民法はそれだけだとほとんど点が取れません。
なぜなら、基礎から理解しておかないと、付け焼刃の知識で対応もできないし、過去問の焼き回しみたいな問題が出題されることも少ないからです。
ぶっちゃけ、配点がでかい宅建業法とかその他の科目って、やり方さえ間違えなければ誰がやっても26点くらいは簡単に取れるんですよね。
冗談抜きで、1週間も集中して勉強すればそのくらい余裕だと思います。
でも、そこから合格ラインに辿り着くために権利関係で上乗せしなければならないんですけど、これが一番難しい。
だからこそ僕は、
“宅建攻略は民法攻略との闘い”
だと思ってます。
参考までに、宅建業法と民法でどれだけの違いがあるのか?
法律の条文数を比べてみれば一目瞭然です。
宅建業法は2017年現在で86条しかありませんが、
民法の条文数はなんと“1000条以上”です(0の数は間違えてないですよ・笑)
さらに、民法の問題の多くは条文だけでなく「判例」知識も当たり前に問われるので、それも含めるとさらに膨大になります。
つまり、過去問で解説を暗記すればいいとか、そういうレベルじゃないんですよね。
しっかりと体系的に整理された知識として頭にインプットしておかないと、とてもじゃないけど対応できないわけです。
だからこそ最も難しい科目、
だからこそ最も合否がわかれる原因になる科目、
だからこそ取り組み方を間違えてはいけない科目、
ということです。
宅建業法やその他の科目と同じように、「テキスト→過去問周回」みたいな単純戦略だとほぼ失敗するので、
民法に限っては、必ず専用の参考書を準備して、じっくり学習する意識で取り組みましょう。
参考までに、こちらは主に行政書士受験生向けになるんですが、『民法攻略塾』という、僕が企画・運営している民法専門の講座もあるので興味があればどうぞ。
↓こちら
民法攻略塾
権利関係の目標得点数は?
権利関係に関しては、全14問中「10問以上の正解」を目標にしてください。
内訳は、民法で10問中6問、その他で4問中4問、合計10問です。
このくらいの得点ができれば安全圏です。
逆に、10問解けるくらいの実力がつけば、残りのリソースは宅建業法等その他の科目へ向けてください。
特に宅建業法は重要な得点源なので、20問中20問全て正解できるくらいの正確性が必要です。それだけ得点しやすい科目であり、時間をかける価値がある科目です。
民法は難しいけどほどほどに。ある程度得点を取れるようになったら、他の科目に集中しましょう。それが宅建突破の秘訣です!
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